千葉県を震源とする地震が発生し、震源地付近の九十九里浜の地図(下図)がネットに映し出されました
その太平洋側の美しい弧、九十九里浜は名前の通りなら、その長さは389km。
本当だろうか?
調べてみると、
九十九里浜は、その長さは約66kmとのこと。とても九十九里には及びません。
でも、測定方法によっては九十九里の名にし負う砂浜となります。
どんな測り方したの?
下図のように海岸線を上空から俯瞰すれば上の曲線のように滑らかですが、黄線の部分を拡大すれば、より複雑な曲線になっており、この曲線に沿って測定すれば、その長さはより長くなります。
測定を更に微視的にしていくと、海岸線はいくらでも長くなります。極限では量子の世界になり不確定性原理により原子の位置さえ確定しなくなり定義された境界を持たなくなります。
とするならば、
「九十九里浜の長さは?」という命題に対する正しい回答は…
『浜の両端を結ぶ直線距離以上の長さをもち、上限は無限大以下である。その値は測定のスケールに依存する』
ってことですよね。
内閣府の見解
下図は、内閣府所管の「公益財団法人 日本海事広報協会」が広報として公開している資料です。
そして、このイラストの説明として以下の文章が添えられていました。
『日本は長い海岸線をもっています。では、どのくらいの長さかというと、3万3,889kmもあります。これは地球一周の長さの85%近くにもなる長さです。』
???… なんでそうなるの?
いかにも役所らしい、おっつけ仕事で作成された文書ですね。