『なんと、この広大な敷地は東京ドーム3つぶんです!』
ニュース番組でのアナウンサーの言辞です。
ドームに行ったことのある私でもイメージがわきません。
いわんや東京ドームを知らない人にとっては、「テングザル3匹分の思いやり」と言われたのと同様、意味不明 ⁉︎
そもそも、「3つぶん」 の「つぶん」て単位は、面積? 体積?それとも建設費?
『東京ドームを単位に用いることは適切なのだろうか?』
その是非は…
東京ドームの大きさや面積などの属性が、客観的に周知されているかどうかが判断基準となります。
皆が東京ドームというものに対し、共感するものをもち合わせており、それが定量的にも似通ってなければなりません。
そのためには少なくとも、日本人の大宗が東京ドームに行ったことがあるというのが最低条件でしょう。
テレビや写真で見た…
などというのでは正確なイメージは形成できません。
『あなたは東京ドームを見たことがあるか?』
実際、半数以上の日本人は、東京ドームを間近で見たことがないだろうし、ドームが建設されたのが1988年と歴史的にも浅いのです。
また、東京ドームの形状が高さの低い円柱形で、平面方向に広がりをもっているため、上空から俯瞰でもしない限り全体が見渡せません。
隣接するドームホテルの方が、上に向かって屹立する直方体のため、全体が視野に入り、これを比較媒体として対象物の大きさを把握するほうが容易です。
『あえて、東京ドームを単位に取り上げる理由は見当たらないのだけど…』
ではなぜマスコミなどは東京ドームを物理単位として用いるのだろうか?
読売が戦略として流布したのか..
などと邪推したくなります。
そうでないとすると…
「東京ドーム」の形姿から、単に「とてつもなく大きい」ということを形容しているのだろうか?
「東京ドームXつぶん」というのは、Xという数詞を用いてはいるものの、定量的なことはさほど問題にしてないのかもしれません。(Xは自然数)
つまり、三段論法を用いて、
①東京ドームは巨大だ。
②対象物は東京ドームXつぶんに相当する。
③よって対象物はとてつもなく大きい。
ってことですかね。