世界体操2022
イギリスのリバプールで開催されていた世界体操2022が11月6日に幕を閉じました。個人総合では橋本選手が初優勝を果たし、内村航平に続き、2人目の五輪と世界選手権の両大会での金メダルとなりました。
この大会を観ていて、演技の採点方法に不合理をを感じました。
非論理的な採点方式
体操は、「Dスコア(技の難度)」と、「Eスコア(技の完成度)」を加算して順位が決定します。
加算するのおかしくない?
1️⃣技の難易度→価値ある技の量
2️⃣技の完成度→技の成功率
1️⃣と2️⃣は単位の違うものです。それを加算する意味がわかりません。
1️⃣は0〜♾の実数で、2️⃣は0〜1で示される比率です。
評価する対象を変えてこの不合理な採点方式を説明します。
金の採掘を評価するには…
金採掘の価値を判定するのは得られる金の量です。これは2つの数値をを乗じることで得られます。
すなわち、金採掘の価値(得られる金)は、
(金鉱石の量)x (金含有量)で表されます。
2つの変数を加算するのではなく掛け合わせるのです。
同様に体操の演技の評価基準を考えてみます。
体操演技の評価では…
体操の場合、【金鉱石の量】に相当するのが、Dスコア(価値ある技の量)であり、【金含有量】がEスコア(技の成功率)にあたります。
よって体操演技の価値は、
(Dスコア)x (Eスコア)
で判定すべきです。
現行の採点方式では…
体操採点方式の矛盾を例を引いて説明します。
鉄棒競技で「逆上がり」を演技して(こんな技は登録されてないでしょうが)、仮にDスコアが0.1であったとしても、技の完成度が高くEスコアが8.95点だったら、この演技の得点はDスコアとEスコアを加算した9.05になってしまいます。
苦手の鉄棒を堅実にまとめて 3位に食い込みました!
この演技の得点は、9.05よりも
(Dスコア)x (Eスコア)
なる2つの変数を掛け合わせて得られる0.895の方が実態を反映しています。
だって、逆上がりを無難にこなしただけだもん。
それに、アスリートたちは金メダルを目指して演技をするのだから、その採点方法は、金採掘の評価に準ずるべきでしょう。