はじめに
詳細は3月12日の投稿で報告しました。(この記事の最後にリンクあり)
本稿ではこの番組の中で藤井8冠が放った驚愕の発言について検証します。
徹子の質問
番組の中で、藤井8冠に対し、黒柳徹子は、
「どのくらい先まで考えているんですか?」
と質問しました。それに対して藤井8冠は、
「終盤ですと、40手先くらいまでを読んでということがあります」
と答えました。
スタジオにはどよめきが起こり、黒柳も「40手先ということは、私から思うと…ずいぶん先だと思います」と驚いていました。
藤井8冠は40手先まで読める⁉️
2023年11月10〜11日の対伊藤匠戦での竜王戦第4局において、藤井8冠は、伊藤匠の玉を少考の後37手詰めで打ち取りました。その指し手の様相から、藤井8冠が37手詰めに踏み込んだ時点で勝ちを確信していたように感じました。なので、40手先まで読むということは真実だと思います。
40手先までの変化手順の数
下図は将棋の初期配置です。この状態から初手が指されます。初手の指し手は何通りあるでしょう?
数えてみました。
将棋の初手は30通りです。
▲9六歩 ▲8六歩 ▲7六歩 ▲6六歩 ▲5六歩 ▲4六歩 ▲3六歩 ▲2六歩 ▲1六歩 ▲9八香 ▲1八香 ▲7八銀 ▲6八銀 ▲4八銀 ▲3八銀 ▲7八金 ▲6八金 ▲5八金左 ▲5八金右 ▲4八金 ▲3八金 ▲7八飛 ▲6八飛 ▲5八飛 ▲4八飛 ▲3八飛 ▲1八飛 ▲6八玉 ▲5八玉 ▲4八玉
2手目以降も同程度の指し手の数があります。実際には、中盤以降は持ち駒が発生し、その持ち駒の自由度が大きいため指し手の選択肢はさらに多くなります。
つまり、40手先までの差し手の数は、少なくとも「30の40乗通り」あると思われます。
※30の40乗とは30×30×30×… と30を40回掛け合わせた数です。
計算してみます。
「30の40乗」を普通に表記すると以下のような途方もなく大きな数になります。
121576654590600000000000000000000000000000000000000000000000(通り)
上記計算のやり方は、2月9日の投稿を参考にしてください(この記事の最後にリンクあり)
人間がこんな気が遠くなるような大きい数の手順を数分の考慮ですべて調べ上げることができるのだろうか?
この疑問に対して、「確かに任意の局面において可能な指し手は約30通りあるが、現実的に有効な指し手は3通りくらいです。藤井8冠は、各局面で30通りの指し手を調べているわけではないよ」という反論が聞こえてきそうです。
よろしい、各局面での指し手の選択肢が3つの場合、40手までの手順の数を示しましょう!
藤井8冠は人間なのか⁉️
40手までの手順の場合の数は、3の40乗。即ち、
12157665459060000000 通りです。
仮に、藤井8冠が40手までの一つの手順を1ミリ秒で読んだとします。つまり1秒間に1000通りの手順を調べるということです。
40手先まで読むには、
12157665459060000秒かかります。即ち、
385517043年(3億8千551万7043年)
1秒間に1000通りの手順を調べるという前提自体が異常なのですが、その超人的な読みのスピードを以ってしても40手先を読むには数億年の時間がかかるのです。
そして、藤井8冠は数分もあれば40手先を読んでしまうのです。
神が降臨したのか?
それとも、藤井8冠は人間の皮をかぶった量子コンピュータなのだろうか。
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