お外で朝ごはん
数年前、某チェーン店で喫食した焼鮭定食です。
献立はごく普通の朝食、味は価格相応でした。
超凡なのは、奇態な容器に装置された夥しい種類の調味料。食品会社の実験室のような様態です。
そのため、せっかくの朝御飯が家畜の餌という心象に変質してしまいました。
そして、今日…
同じ店で再び焼鮭定食を注文しました。内容は数年前と同じ、安定の朝食メニューの座を維持しているようです。
ところが、数年前と大きく変わって…
調味料の容器が新調されていました。容器は瀟洒で垢抜けたものに変更され、品揃えも必要十分なものに絞られています。
順道な設備投資といえるでしょう。
ところが…
数年前からの変更が他にもありました。
価格が改定されていました。
450円から490円へと約9%の値上げです。
更に、カロリーが 約6%減少していました。鮭が小さくなったのか、はたまたご飯の量が減ったのでしょうか。
これを織り込んだ、実質的な値上げは約12%という高率になります。
このお店の客層
この値上げを原資に調味料の容器が小粋なものに更新されたのだとしたら、これは不毛な設備投資かもしれません。
店内を見渡してみると、調味料の容器などには目もくれず、背中を丸め、ひたすら飯をかきこむこ人が多く見られます。
このお店のお客にとって切要なのは価格当たりの量なのかもしれません。 ←個人の感想です
ターゲットとする客層のニーズに沿わない経営は無駄を生じます。そして、その無駄が経営を危うくしかねません。
大塚家具は会員制を廃止し、ビジネスモデルを高価格帯から中価格帯へ変更したことで失敗しました。中価格帯の商品はニトリにまかせておくべきだったでしょう。
ところが、焼鮭定食を貪り食うお客も、スナックでのビールの小瓶が1000円であることには納得しており、疑義を唱えることはありません。それは彼らが、スナックのサービスがどんなニーズに対応しているかを承知しているからです。
さすれば、定食店は、店に対するニーズが「生存的食欲をいかに安く満たすか」ということを自覚し、このニーズに則った戦術を実践することで店の魅力を客に訴えかけるべきです。
でも、この提言に対する店側の返辞があるとすれば、「嫌なら来るな!」ってところでしょうね。
はい、余計なお世話でした。