リサイクルという生業
回収した空き缶を引き取ってもらい、その対価で生計を立てている人をよく見かけます。
この稼業、大変そうだけど、リサイクルなので原価が小さく、それなりの収入になるのだろうか?
検証してみました。
東京都の最低賃金との比較
東京都の最低賃金 1041円/時 を得るための作業量を計算してみます。
※ただし、自転車などの初期投資や経費はゼロとします(売上=賃金)
2021年最低賃金(時給)
アルミの持ち込み価格は1Kgあたり約90円です。アルミ缶の重量を調べてみました。
1缶の重量が17gです。
アルミ缶約60本で1kgです。
これを前提にして、
東京都の最低賃金1041円の売上げに相当するアルミ缶の本数は…
1000g/17g x 1041円/90円
≒ 680本
1本のアルミ缶の体積を350㎤とすると、680本の体積は238000㎤にもなります。石油缶にして12缶以上の体積になります。なので缶を潰すという作業が必要です。冒頭の写真の人は潰す工程を省いたため、運搬が凄まじい状態になっています。
回収して潰された空き缶
空き缶回収の工程を列記すると、
①缶の収集
②鉄とアルミなどの分別
③缶を潰す
④梱包
⑤買取業者までの運搬
⑥梱包の開封
検証結果
東京都の最低賃金と同等の収入を得るためには、上記工程を1時間に680本こなさなくてはなりません。
5.3秒に1缶 !
これ、無理ですね!
現実的には最低賃金以下。
結論として、労多くして益少なく、かなり厳しい仕事です。