シリーズ第10弾、今回はゴミのお話です。
燃えるゴミ
ゴミ集積所にある標識です。
多くの自治体が、ゴミの分類に「燃えるゴミ」又は「可燃ゴミ」という言辞を使っています。
条件によっては、身の回りの殆どの物は燃えるんじゃないの⁉️
自治体のホームページなどに具体的に可燃物の定義が示されているのかもしれませんが、ゴミ集積所の表記は誤解を招きかねません。
「燃える」とは…
物質が「燃える」か「燃えない」かは温度や気体組成などの条件によって変わります。
アルミのインゴットを燃やすことは大変だけど、アルミ箔は簡単に燃えます。アルミが可燃か不燃かは条件により異なり、一意的には決まりません。
なので、行政の場では、ゴミ出しのトラブルを避けるためにも、「燃えるゴミ」というような曖昧な表現は使うべきではないと思います。
化学的にいえば…
化学の言葉では、「燃える(燃焼)とは酸化反応(一般的には発熱と発光をともなう)」です。
※「燃える」には、『激しく気持ちが高まる』という意味もあります。(例:愛国心に燃える)でも、「燃えるゴミ」の趣意には不適です。
よって、「燃えるゴミ」は「酸化するゴミ」と同義ともいえます。
とするなら、鉄も燃えるゴミとなります。
なぜなら、鉄は酸化します。
2Fe+O2→2FeO
こんなモノも燃えるゴミ⁈
逆に「燃えないゴミ」って…?
「燃えるゴミ」の表記を正す
現行のゴミ集積所などの標識に使われている「燃えるゴミ」という表記は以下のように改訂すればどうでしょう。
▶︎「燃えるゴミ」ではなく「燃やすゴミ」と表記します。
(「燃やすゴミ」の主語は自治体です)
そして更に、標識に「具体的にはホームページを参照してください」と添え書きしておけばゴミ出しトラブルは避けられるでしょう。
▶︎どうしても「燃えるゴミ」と表記したいのなら、「当自治体の焼却炉にて」という修辞を「燃えるゴミ」の前に添えなければなりません。
名称変更の効果は…
自治体の意図する「燃えるゴミ」と住民が思い描いている「燃えるゴミ」との間にどれ程の不一致が存在するのだろう。
ボクの感性がおかしいだけで、現行の表記で問題ないのかもしれません。
でも、もめごとの素因はできるだけ排除しておいた方がいいでしょ!