現在、我が国でのコロナによる死亡者は約1000人ですがこの状況の危険度を死亡率という指標で考察してみます。
様々な事象における日本での年間死亡者数を推定し、その対策とともに、ランキング化しました。
そして、コロナの危険度合いを心象化させ、コロナにどう対峙していくかを検討しました。
※ 順位は筆者の与太な推定です
①週末は毎週ロッククライミングにチャレンジ!
対策)実行しない
②オートバイで東京から名古屋まで5時間で行く
対策)実行しない
③85歳の男性が通常の生活をする(85歳の平均余命は6.26年)
対策)思いつきません
④午前3時に泥酔して新宿歌舞伎町をさまよう
対策)実行しない
⑤感染症に無頓着な人がコロナが原因で死亡する
対策)種々感染防止策
⑥自殺(昨年の自殺者数19959人)
対策)医学的対応、生活改善
⑦交通事故(昨年の通事故死者数3215人)
対策)自動車の使用禁止
⑧感染症に神経質な人がコロナが原因で死亡する
対策)種々感染防止策
⑨航空機に搭乗(全日空とPNG航空では死亡率に差がありますが)
対策)搭乗しない
⑩隕石の落下
対策)地下200mに移住する
⑪太陽が赤色矮星になり人類が死滅
対策)不可抗力→あと50億年くらいは大丈夫です
ランキングの考察
▶︎順位付けの前提条件は、
今回のコロナが終息したときの累積死亡者数を1000人~10万人と推定しました。
2020 年8月以降、理想的な感染対策が実行された場合、現在の感染者数と死亡率から8月以降の死亡者数は100人以内と推定しました。
また何も対策がなされず、ワクチンの開発も間に合わないとすれば、集団免疫が獲得されるまでに10万人程度の死者が出ると考えました。
一方、自殺者及び交通事故による年間死者数はそれぞれ約2万人、約3千人ですから上記ランキングとしました。
それから、あまり意味のない数字ですが、国民全員が①のロッククライミングを1年間実行したなら、そして1%の人が滑落などで死亡すれば、年間死者数は120〜130万人になります。
▶︎次に対策について考察します。
まず、③85歳の死亡と⑪太陽の赤色矮星化 は除外、①ロッククライミング、②オートバイ、④新宿歌舞伎町徘徊 に対しては強い意志で回避しましょう。
交通事故に対しては自動車を禁止すれば3000人以上の命が救われるのですが、そうはなっていません。
現実は、交通事故死者よりも車の利便性が優先されています。つまり、リスクとメリットを比較してどこかで折り合いをつけなければならないのです。
隕石が怖いからといって地下生活をする人はいません。
小さな確率のリスクを回避するために大きなデメリットを負うことはしません。
「一人の命は地球よりも重い」という命題は偽であり、
「角を矯めて牛を殺す」こともありません。
コロナの場合 • •
以上を前提としてコロナについて考えてみます。
完璧な感染対策を実行するインセンティブは「恐怖心」だと思います。
だから行政は恐怖心,すなわちリスクを示しながら感染対策の完遂を目指します。
リスク(死亡)の回避にはデメリット(対策)が伴います。
リスク回避とデメリットに対してどこで折り合いをつけるかは人により異なります。
リスク回避の過程(ここでは感染防止策)で伴うデメリットの評価に個人差がありそれが上記ランキングの⑤感染に無頓着 と⑧感染に神経質 に現れています。
どちらを選択するかは個人の判断でよいと思います。
リスクを顧みず死亡率が高くなっても現状の生活を快適に送りたい…というのは個人の範囲では自由です。
ただし、他人に影響を与えない(他人への感染を排除する)ことが前提になります。
特に死亡者のほぼ大半を占める70歳以上の高齢者への感染に注意しなくてはなりません。
個人的には、あまり神経質にならず過ごすのがいいかな。
コロナのリスクを一般の人よりもやや低く評価していることもありますが、感染防止の自粛期間も人生における短くない貴重な時間ですから。
政府の対応
コロナ禍の重篤性の指標は死亡者数が一番信頼できると思います。
新規感染者数、陽性率などの指数はサンプリングが恣意的で、統計的にはあてになりません。
生死の判別の精度はほぼ100%で母集団にもバイアスがかかっていません。
ただ、死因がコロナか否かの判定精度の誤差があるかもしれません。
現時点で死亡者は一日に数人、それも死亡者の98%が基礎疾患を有していたということです。
過剰な警戒により、コロナ禍を上回る警戒がもたらすデメリットに注意しなくてはなりません。
コロナによる死亡者はそれほど多くはありません。
過度な規制は経済を停滞させ、その結果失業者が増加します。
そして1%の失業率の増加は1000人の自殺者を生むというデータがあります。(現在までのコロナによる死者数に匹敵)
自殺に至らないまでも、精神的疾患を発症する人は自殺者の何倍もいると推測されます。
政府には繊細なバランス感覚を期待します。
安倍首相よ、466億円の国費を投じて全世帯にマスクを送付するよりも、その金を青色吐息の中小企業の救済に使ってください。
もちろんマスクが無くて困っている人も居るでしょうが、それは大局的には些末なことです。
白菜が高くて困っている人、外出できず運動不足で困っている人、3日に一回の買物要請で冷蔵庫の容量が足りない人、などと同列です。