選挙の闇シリーズ
第三弾は、多様性のある選挙区を創成する選挙方式です。
このシリーズでは、選挙制度の闇(不合理)を指摘して、その改善案を提言しています。
(第一弾〜「マイナス票の導入」、第二弾〜「ガラガラ方式」はこの記事の最後にリンクあり)
本稿では、各選挙区における定数の決定方式について考察しました。
せんきょくのせんきょくいなし
遷居(せんきょ):住居を移しかえること
定数決定方式の不合理
現行では、選挙区の定数を決める指標の大宗は、その選挙区の人口に基づいています。
でも、人口と定数が完全に比例しているわけではありません。
そのため、国政選挙のたびに、「一票の重み 」を争点に、「違憲だ 、いや合憲だ」と争論が絶えません。
つまり、選挙区の人口に対する定数の妥当性が争われています。
だけど…
そもそも、人口に基づき選挙区の定数を決めることが適切で公平だろうか?
人口を基準にして選挙区の定数を決めることが東京への一極集中の一因となってはいないだろうか。
国会議員が地元選挙区の利益を追及することは当然のことであり、そのため、選出議員の多い選挙区ほど民意が実現され易くなります。
ちょっと不公平な感じです。
それでは…
人口比から面積比に…
人口比ではなく面積比に準じて定数を割り当てたらどうだろう。
東京都の人口は日本の人口の11%を占めていますが、面積は0.6%です。
現在の衆議院定数465人に対して、人口比なら51人が定数になります。これが面積比にすると東京都の定数は3人に激減します。
逆に岩手県の場合、人口は1%ですが、面積比は4%を占めるため定数は一挙に4倍に増加します。
面積基準の公平性はどうだろうか?
面積比の公平性
結論から言えば、公平性は担保されています。
その論拠は、日本の場合、どこに住むかは国民の自由であるからです。
面積比方式が地域格差を完全に解決するとは思いませんが、少なくとも一極集中に対しては緩和の方向に作用するだろうし、国土の有効利用にもつながります。
いま述べた、面積比方式は面積を100%定数に反映させた極端な例ですが、実際の運用には人口も含めた他の要因も組み入れれるのが現実的だと思います。
更に、各選挙区の特性を活かした差別化により魅力ある選挙区を創成していくべきです。
具体的には、①人口、②面積、③特殊性 の3つの指標で選挙区定数を決めるのが良いでしょう。
衆議院議員の定数465人を例に引き、3つの指標を具体的に説明します。
1️⃣人口比
まず、人口100万人に対し1議席を割り当てます。(126議席)
2️⃣面積比
残りは339議席です。このうち選挙区の面積比に応じて、人口比の2倍の252議席を各選挙区に振り分けます。ただし、選挙区の面積においては、税金の投資が些少な山間部の面積に0.7を乗じて積算します。
面積比例配分により、北海道から沖縄までの広い地域から議員を選出しようというものです。
これって選抜高校野球での地域性を考慮した選抜方式に似ていますね。
ということで、選挙区の特殊性による定数配分においても、選抜高校野球方式を導入します。
3️⃣特殊性
選挙区の特殊性を反映させて残りの87議席を振り分けます。
その際、選抜高校野球の代表校決定方式を参考にします。
選抜高校野球方式
選抜高校野球の出場校の決定には、地域性、21世紀枠のような話題性、学校数(人口)や地域格差(以前勝率の高かった四国勢には春の選抜において4校もの枠が当てられていた)などがうまく按配されています。
これを選挙区の特殊性に応用してみます。
▶︎まず、21世紀枠に相当する特別枠として、「原発枠」と「基地枠」を設けます。
趣旨は、原発や米軍基地の存在する選挙区の住民は何らかの形で不利益を受けています。(一部利益を受けているいる地区もあるが総合的にはマイナス面が大きい)そのため原発や基地のある選挙区に1〜2人定員を増やし、その選挙区のワガママを少しだけ叶えてあげることでバランスを取ろうというものです。
▶︎高校野球の地域格差(野球のスキル)に相当する要素はどのように反映させればいいだろうか?
公平性を重視するなら、納税額の多寡に定数を連動させる…
なんてのが考えられますが、これは反発を招きそうです。
そこで、ここでは地域格差の解消を優先させて、下水道普及率などインフラが遅れている選挙区にその状況に応じて1〜3議席のハンデを与えることとします。逆に、都市ガスが普及している選挙区は定数1を減じます。
上記のような特殊性に基づいて87の定数を全国に振り分けます。
次に、各選挙区の特徴を活かした差別化を実施します。
選挙区の多様化
特定の選挙区内でだけで有効な自治立法「ふるさと条例」を設けます。
米国では州によって死刑制度の有無が異なっていますが、このような地方自治の立法権を認めるというものです。
この条例により、都市部から離れ、定員も少なかった選挙区は拡大した権力で差別化された政策を推進することが可能となります。
🀄️例えば、ある選挙区では、千点100円まで掛け麻雀が合法であったり…
【黒川弘務検事長は、コロナ禍での外出自粛の要請が続く中、都内で新聞記者と賭けマージャンをして罰金20万円の略式命令を受け、世間から非難された】
📶また、過疎化の進む選挙区では、無料Wi-Fiインフラを国費の補助で構築、テレワークを可能にすることでIT企業を誘致する。
🐕あるいは、犬や猫などのペット二匹までは扶養家族として認めることで減税。公共交通機関にも自由に同乗させることが可能。但し、ペットの運賃として子供料金の支払いが必要。
このように各選挙区が地元の特色を活かし、多様性のある国土に変えていく…
そして各人が自分に合った特色ある選挙区へ自由に移住する…
ちょうど、高校野球で、大阪府の強豪校ではレギュラーで甲子園に行けそうもない高校球児が、富山や鳥取の高校を選択するように。
竹島に住民票を移し定住しようとする愛国者がいたら、その人には無条件で一議席を与えたい!
▼選挙の闇シリーズ1、2は下記リンク
↓ ↓
🌀 選挙制度の闇〜その1〜サル以下の議員を排除する選挙制度改革 - こに〜 の ざれごと
🌀選挙制度の闇〜その2〜「死に票」がゾンビのように蘇る😱 - こに〜 の ざれごと