将棋と人工知能(AI)
2023年1月28日、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する王将戦七番勝負第3局が、石川県金沢市「金沢東急ホテル」で始まりました。
2日制対局の序盤戦は、AIによる事前研究に基づいた差し手が続くと思われます。
今後、更にAIが進化したらその行き着く先は…
将棋の勝敗は確定している❗️
将棋には多くの局面が存在しますが、それは有限のパターンです。そして、将棋は全ての情報が公開されていて、ランダムな要素も存在しないゲームです。
なので、お互いが最善手を指した時の勝敗は対局前から確定しているはずです。
まだ解明されてないけど、将棋の結末は以下のいずれかです。
• 先手の勝ち(後手の負け)
• 後手の勝ち(先手の負け)
• 千日手(同一局面の無限ループに入り勝負がつかない)
• 持将棋(お互いの王が相手の陣地に入り、どちらの王も詰まなくなる)
将棋は完全解析可能なのです。
将棋の局面の数は何通り?
しかし、将棋の結末が上記4通りのどれになるか知るためには、将棋のあらゆる局面について調べ上げる必要があります。
そもそも局面の数はどれくらいあるのだろう?
これについては以前に記事を投稿しました(この記事の最後にリンクあり)
この記事でボクが推定した全ての局面の数は10の60乗〜10の90乗でした。(幅が広すぎる😿)
これを調べるのに、現在の技術でどのくらいの時間がかかるのだろう?
計算してみた
結論を先に記します。
計算の手順は以下の通り。
全ての局面をボクが見積もった最小の10の60乗の局面で計算しました。
可能な局面数が10の60乗であるのに対し、 現在、最先端のAIの解析速度は1秒間に1億局面程度です。
AbemaのAIは1秒間に約2千万の局面を解析します
よって全パターン(10の60乗)を読み切るには10の52乗秒ぐらい必要という事になります。秒を年で表すと10の45乗年!
指数を使わずに表記すると…
1000000000000000000000000000000000000000000000年 となります🙀
将棋の完全解析は計算のアルゴリズムが解ってても、計算に永劫の時間が必要となります。
現在の技術では、不可能ですね。
将棋が完全に解明されたら…
もし、量子コンピュータが飛躍的な進化をとげて、完全な解析が実現したなら、将棋界はどうなるでしょう?
おそらく、初手から50手くらいまでは、AIを利用した研究が深まり、より精密な定跡が確立されると思われます。
しかし、最善手が明らかになったとしても、人間の知性では、夥しい分岐を伴うその手順をすべて習得することは不可能です。
なので将棋は今まで通り、ミスの少なさを競うゲームであり続けるでしょう。
つまり、私たちは、少なくとも今後数十年間は将棋というゲームを楽しめるということですね😸
▼以前の記事(将棋の勝敗は確定していることと全ての局面の数について)
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将棋の不思議〜 勝負の結末は既に確定している⁉︎ - こに〜 の ざれごと