昭和の天才と令和の天才の激突
1月20日、将棋の八大タイトルの1つ「王将戦」の第2局が大阪で開催されました。
不爺さんvsハブ爺さん
新旧天才棋士が争う注目のタイトル戦です。
新聞報道でも、
第72期王将戦、王将戦前夜祭、倍率98倍 藤井聡太王将と羽生善治九段対局で!
と国民の関心の高さを伝えています。
でもこの対局、簡単に観戦することはできません。実況放送を視聴するには、有料の囲碁将棋チャンネルとサブスク契約しなければなりません。
また、家庭にWi-Fi環境やCS対応のデジタルテレビも必要です。(サブスク: 課金をすることで動画や音楽のコンテンツを視聴することができるサービス)
一方、日本将棋連盟は、この棋譜や盤面を無断でYouTubeでリアルタイム配信することを禁じています。
実情は…
Youtubeのリアルタイム配信に対して、主催者は、盤面はもちろん、指し手を伝えることも許諾していません。
戦況やや予想手に言及することは容認しているようです。
野球中継の映像をYouTuber がそのままネット配信すれば著作権侵害になるけど、スコアだけを配信するのは問題ないといった感じです。
王将戦では、盤面だけは主催者の毎日新聞社がネットで音声なしで公開しています。
日本将棋連盟の使命
日本将棋連盟は、棋譜の著作権を主張しながらも、王将戦に対し、以下のようにも表明しています。
『王将戦主催者(日本将棋連盟および毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社)は、日本の伝統文化である将棋の普及発展を推進するため、王将戦を運営しています』
だったら、もっと気軽に王将戦を観戦できる環境にして欲しいですね。
公益社団法人とは
つまり、「公益事業を主な目的とし活動している法人」です。公益とは「不特定かつ多数の人の利益」を表します。
つまり自法人の利益追求だけでなく、私たちの社会にさまざまな好影響(日本の伝統文化である将棋の普及など)を与える事業を行うのが公益社団法人です。公益社団法人は、税制上の優遇措置や社会的信頼の面で多くの恩恵が受けられます。
そんな、税金の優遇を受けて(換言すれば、本来払うべき税金を免れる→国民の税金を使って)日本の伝統文化を継承すべき将棋連盟が運営活動の大宗である棋戦を不特定かつ多数の人に公開しないのはどうなんだろう?
サブスク契約で観戦できるけど
サブスク契約して視聴すれば良いのですが、不特定かつ多数の人には叶いません。
また、サブスク契約に対する抵抗感を感じる人も少なくないでしょう。
契約は自動更新が一般的ですが、退会を失念することへの懸念や、退会手続きが簡便にできるか不安な人、そもそもネット契約にアレルギーがある人もいるでしょう。また、口座振替などの課金の手続きも必要です。
サブスク契約の普及は進んでいますが、まだ不特定かつ多数の人にまでは浸透していないというのが社会通念だと思います。
苦肉の策
サブスク契約をせずに、王将戦を盤面あり解説付きで、リアルタイム観戦することは可能でしょうか?
可能です🙆♀️
スマホとパソコン(パソコン2台でも可)があれば観戦できます。(インターネット接続は必須)
スマホとパソコンで以下の画面を出力します。
【スマホ】Youtubeの解説LIVE(盤面なし• 解説あり)。複数のYouTuberがLIVE中継をしています。
【パソコン】ブラウザから新聞社の棋譜速報(盤面あり• 音声なし)
スマホの解説を聴きながらパソコンの画面を観ることで、不自由なく観戦できます。
写真はパソコン2台での視聴です。
棋譜速報が30秒ほど遅延するので、Youtubeの解説 LIVEを30秒遅れの追っかけ再生にしています。
両者1勝1敗で迎える、1月28日からの王将戦七番勝負• 第3局が楽しみです。