なんだか気持ち悪い
東京五輪のテニス競技を観ていてビデオ判定の方式にとても違和感を覚えました。
その判定方式は、チャレンジシステム。
チャレンジシステムとは
テニス競技おいてチャレンジというルールがあります。
ひとことで言えば大相撲における「物言いを力士が発動する」といったところです。
テニスの場合、審判員のイン・アウトのジャッジに不服があった場合、選手は主審に異議を申し立て、ビデオ判定に持ち込むことができます。チャレンジが要求されるとゲームは一時中断されスクリーンにボールの軌道が映し出されます。(下の写真)
ボールの落下した所(楕円で表示)と白線が示されインかアウトかを判定します。
IN/OUT判定
このシステムの判定方式を数学的に表現すれば、
【相手側のベースラインまたはサイドライン(細長い長方形)】と【テニスボールと地面の接地面(楕円)】が共通の点をもつか否かでIN/OUTの判定をしています。
その判定法に従うと…
これはINとなります
この判定法なぜか違和感が…
テニスボールと地面の接地面は楕円になりますが、この楕円の形状(面積、長軸と短軸の比など)は打球の速度などにより異なり一意的に確定しません。
例えば、以下の場合、接地面は大きくなります。
①ボールの空気圧が小さい
②ボールの接地する時の角度が垂直に近い
③ボールの速度が大きい
でも、TVで観る限り映し出される楕円の大きさは同じです。
この曖昧性の現出は点で判断すべきものを面で行ったことに起因しています。
では、どうすればいい…
ボクが適切だと感じるIN/OUTの判定は 「ボールが初めてコートと接する点の位置で決定する」というものです。
この判定法だと上図のの場合、判定はOUTです。
では実際にこの方式の運用は可能でしょうか?
現行は、ハイスピードカメラで捉えた画像からボールの軌跡を算出し楕円の接地面を取得しています。だから、その楕円の中心点(楕円の長軸と短軸の交点)で判定することは可能です。
「接地面楕円の中心点」と「ボールが初めてコートと接する点」とは厳密には違いますが、競技のルールブックには、
1.IN/OUTの判定は 、ボールが最初にコートと接する点の位置で決定する
2.前項の「点の位置」は、ボール接地面楕円の長短軸の交点の位置とする。
と定めれば問題はないでしょう。
現行のN/OUTの判定方式に対する違和感はボクだけの感性かもしれません。
皆さんはどう感じますか?