1989年にテレビ東京が放映した「大食い番組」をきっかけに他の民放局でも類似の企画が行われ、大食い番組は一つのジャンルとして定着しています。
これらの番組を観ていて想起するのが、TBS系列で放送されていた公開バラエティ番組、ザ• ドリフターズの『8時だョ! 全員集合』です。
食べ物を投げたり、頭から液状の食品をかけたりして、多くの視聴者から批判が噴出しました。
ところが、大食い番組に対してはそれほどまでの苦情や批判は出ていません。
食べ物を無駄にしているという点では、さほど違いはないと思うのですが…
貧しい国の子供達が日々の食事にも困窮してるのに食べ物を粗末に扱ってケシカランと目くじらを立てて大食い番組を咎めているわけではありません。
むしろ、食べ物を軽んずるまでに経済大国となった日本を称賛すべきだと感じています。
ボクが言いたいのは…
大食い番組が糾弾を免れているのには、それなりの理由があるということです。
それは、番組の主役となる大食者が纏う痛々しい悲壮感や哀切に因るのではないでしょうか。
大食者は異常体質であり、疾患を患っています。
なのに、汗をかきかき必死で食物を消化器に押し込んでいる人達を見るたびに、ボクはなんとも不憫でやり切れない気持ちになります。
あたかも、自分の血を売って生き延びているようで哀切の念を禁じ得ません。
大食者は、食卓と下水菅をつなぐ単なる管なのです。
こんな悲しい人達を糾弾なぞできようはずがありません…
※ ビールを大量にのむ呑兵衛も、冷蔵庫と下水管をつなぐ単なる管かもしれませんね😅