こに〜 の ざれごと

日常生活の小さな疑問や発見をアイロニカルに 綴りました… っうか単なる戯言です。

麻雀とエントロピー 〜 国士無双 vs 四暗刻


今回は、麻雀での確率、及び 国士無双四暗刻という性質の異なる二つの役満について考えてみた。

麻雀という特殊なジャンルのため、麻雀を知らない人には意味不明かも。誠にもって恐縮至極🙇‍♂️

▶︎麻雀の役づくりとは…
同じ牌や連続した同種の牌を集めることである。
つまり、カオスの状態から特殊性(規則性)の大きい組み合わせを生み出していくということ。

 

熱力学的にいえば、役づくりとは牌配列のエントロピーを小さくするという作業である。これは、熱力学の第二法則に逆らった操作になる。

 

しかし、例外として、国士無双という役満はカオス(エントロピーが大きい)を求めて行く役満であり、自然法則に沿った、より有り得べき未来を和了形としている。

 

役満で、国士無双の対極にあるのが四暗刻だろう。


f:id:Conichan:20200726083356j:image


そこで、
国士無双は、四暗刻よりも使える牌が少ないというハンデを背負ってはいるが、熱力学に従ったエントロピーの増大を標榜しているため、四暗刻よりも出来易いのではないか…】
という気がして確かめたくなった。

 

▶︎まず、二つの役満に使える牌の数は、
国士無双→13種(52牌)
四暗刻 →34種(136牌)
四暗刻の方が、2.6倍の牌を対象として役づくりできる。

対象とする牌の比は1対2.6 だが組み合わせの数の差はさらに大きくなる。

 

▶︎麻雀は14枚の牌で役を作る。
14枚の牌の組合せは、同種の牌も区別して計算すると、136C14通り(※注)


つまり、136枚から14枚選ぶ総組合せは、
4,250,305,029,168,220,000通り。
漢数字で表記すれば、
425京305兆291億6千822万通り

 

この後、国士無双四暗刻の難易度を検討するため、4枚ある同種の牌を区別している。そのため、14枚の牌のパターンはこれよりも少ないが、それでもとてつもなく大きい数だ。

この中で、国士無双四暗刻になる組み合わせは、それぞれ、どれくらいあるのだろう?

※注
(m個の中からn個を選ぶ組み合わせの数を「mCn」とする。例えば、異なる4個のものから,異なる2個のものを選ぶ組合せの総数は,4C2=6通り)

 

▶︎上記14枚の牌の全組み合わせのうち国士無双になる組み合わせ数は、

[東南西北白發中]と[数牌の1と9]の13種が対象。
だから、雀頭の選び方は13通りあり、それぞれ、4枚の牌から2枚選ぶので、4C2=6通り。


雀頭以外の12枚は、4枚の牌から1枚を選ぶので、(4C1)^12=16777216通り。

 

以上より全部の組み合わせは
13×6×1677216=13億862万2848通り。

 

▶︎同様に四暗刻は、
4種の暗刻と1種の雀頭との5種類の牌でできている。
34種類の牌のうちから5種類の牌の選び方は34C5=2226048通り。


雀頭の選び方は5通り。
雀頭は4枚の牌から2枚選ぶので、4C2で6通り。


暗刻は4枚の牌から3枚選ぶので、
(4C3)^4=256通り。

 

以上より全部の組み合わせは、
2226048×5×6×256=21億3700万6080通り。

 

▶︎国士無双四暗刻ともに、全ての組み合わせと比べれば0に近似してもいいような組み合わせ数しかない。


これは無作為に選択した14枚の牌が、国士無双または四暗刻和了形になることが殆どないということから容易に予想されたことではある。

 

▶︎だが、ここで注目したいのは、
国士無双四暗刻の使える牌の比が1対2.6 にもかかわらず、
それぞれの和了の場合の数は、1対1. 5と国士無双が相対的に和了し易くなっている。


逆転こそしなかったが、使える牌の比に対して70%以上和了し易くなっている。

 

やはり、エントロピーは大きくなりたがる…???

 

▶︎因みに、四暗刻和了に近づくほど手牌の種類が減少し、しかも数牌の場合、手の内の牌は他の3人が不足している確率が高く、放銃の危険度が増す。

 

一方、国士無双の場合、手の内には、比較的不要な多種の么九牌が豊富にある。和了の可能性がないと思えば容易にベタオリすることができる。

 

▶︎もし、配牌で9種9牌だったら…
国士無双」と「流し満貫」
この2択ならどちらを目指すのがお得だろうか?

 

国士無双和了確率は、比較的簡単に計算できる。ポン、チー、カンがなければ、親と南家は18回、西家と北家は17回のツモがある。このツモの間に足りない5牌を得る確率を求めれば良い。
結果だけ記す。
配牌9種9牌で、海底まで他の3人が和了しなければ約3%の確率で和了できる。

 

• 流し満貫の場合は、自分の捨てた么九牌が鳴かれる確率計算の前提条件が複雑すぎる。

また、流し満貫の成立条件である流局になる確率計算も難解。
人間の判断が入ってくるから計算不能である。この命題に答えるには、大量の実戦データを帰納的に援用するしかない。
今からデータを得るには人生は短かすぎる。

一つだけ言えることは東家、南家に比べ、自摸が一回少ない西家と北家の方が有利だ。おそらく、東家、南家の2倍くらいの和了確率だろう。

 

▶︎国士無双と流し満貫、どちらを狙うかの判断材料として和了したときの対価も考慮しなければならない。


国士無双役満だから、3万2千点。その確率3%を乗じて期待値は960点となる。

一方、流し満貫は8千点だから国士無双の4倍以上の確率がなければ見合わない。

 

▶︎結論として、配牌で9種9牌への対応を数学的に調べることは困難だ。
よって、今のところ、経験的に判断するしかない。

感覚的には10種10牌なら、迷わず国士無双を目指したい。

勝負にこだわるなら、その場の状況(自分が親か子か、他の3人との点差など)を考慮した総合的な判断が必要だろう。

 

▶︎配牌9種9牌の対応として、流局にするという選択肢もある(九種么九牌倒牌)


自分が親の場で4人が僅差で争っているなら、流してしまうというのも有力な選択だ。

9種9牌が成立して、流局となった場合、親は流れる(親が下家に移る)というルールのところもあるので事前にはっきり取り決めておかなければならない。

 

んん…まとまりのない話になってしまった。

 


——-【関連投稿】——————
1️⃣麻雀ネタはあまりウケないようだ。前回の麻雀ネタも★がゼロでした。(下記リンク)
https://conichan.hatenablog.com/entry/2020/05/28/155213

2️⃣将棋の局面数を計算して、AIが、確定ゲームである将棋を解明できるかを推察した。(下記リンク)
https://conichan.hatenablog.com/entry/2020/07/19/083944