こに〜 の ざれごと

日常生活の小さな疑問や発見をアイロニカルに 綴りました… っうか単なる戯言です。

将棋の不思議〜 勝負の結末は既に確定している⁉︎

 

今回は将棋のお話です。


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将棋の世界では、藤井聡太七段が史上最年少でタイトルを獲得!
AI超えの棋力と話題になっている。

 

棋界でもAIの進歩は目まぐるしく、今年のAIと去年のAIが対戦すれば、今年のAIが70%の確率で勝利すると言われている。

 

このままAI の進化が続くと、行き着く先は…
先手 AI マングス : 初手7六歩
後手 AI ハブ : 投了
てなことになるのだろうか?


更に敷衍すれば、振り駒により先手後手が決まった時点で、勝負の結末は確定するのだろうか?

 

近い将来、AIが将棋の全ての手順を調べ尽くして必勝法(または負けない手順)を解明するのだろうか?

 

ということで、将棋における、全ての局面は何通りあるのかを計算してみた。(かなりの概算です)
そして、その結果をもとに、AI将棋の未来を推察してみる。

 

▼▼▼▼▼ここから飛ばして読んでもいいよ▼▼▼▼▼
81のマス目がある。先手の王の置き場所は81通り、後手の王は残りの80通り、よって2枚の王の局面は、81x 80=6480通り、次に2枚の飛車の置き方は、1枚目が残り79マスに、(飛車は龍としても置ける、また、先手の駒として置くか後手の駒として置くかの2通りの置き方がある)79x4通りと、先手の駒台もしくは後手の駒台の2通りを加え(79x4+2)通り、2枚目の飛車は1枚目の飛車が駒台にない時は(78×4+2)通り、1枚目の飛車が駒台にある時は、盤面はマス目が一つ多く空いているので、(79×2+2)通り、但し、駒台に先手、後手ともに飛車が一枚ずつある時はダブって数えているので1を減じる。そしてこれらの場合の数を乗じていく…… (以下略)
このようにして、40枚すべての駒を盤上もしくは駒台に置く場合の数を計算する。
厳密に計算するには多くの例外処理が必要。例えば、
• 先後同型は先手、後手いずれに手番があっても同値だから2で割る。
• ニ歩の禁止
• 行き所のないところに駒を打てない。(桂馬は相手の陣地の一段目と二段目には打てない など)
でも、大きい数を計算するときは係数が変わる程度の誤差は気にしなくてよい。要は何桁くらいの数になるかが分かればよい。
▲▲▲▲▲ここまで飛ばして読んでいいよ▲▲▲▲▲▲

 

計算の結果、将棋の全ての局面の数は、
【10の60乗〜10の90乗。
どんなに多く見積もっても10の100乗未満だろう。】

 

一番小さく見積もった10の60乗を普通の表記で書くと、
1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
という長大な数になる。

 

AIは10秒間に10億手くらい読むが、分岐が多いのでこれでも30手くらい先までの手数である。

 

将棋は100手前後で決着がつくから、AIが進歩すれば、近い将来、全てが解明されると思われるかもしれない。だが、30手までと100手までとでは天と地ほどの差がある。


枝分かれにより必要な読みの手数は指数的に増加する。
30手までに読むべき手数は、100手までのそれと比べれば無に等しい。

 

局面の数が少なくとも10の60乗あることから、当分の間は、将棋の必勝法(または負けない手順)は解明されないだろう…
というのが結論である。

 

まだまだ長い時間将棋を楽しめそうだ。

 

▶︎では、将棋は先手、後手のどちらが勝つのだろう?
それとも…

 

これを調べるには、具体的局面の検討が必要、かなりの難題である。

 

ここまでの文で、私が、単に「必勝法」と記さず、ことさら「必勝法(または負けない手順)」と書いたのには訳がある。


それは、将棋は必ず勝敗が決するというゲームではないからである。

 

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※ 「千日手」とは、引き分けの一形態(後述)

 

▶︎上図のような(結果が自明である)盤面から出発して、マス目と駒を増やして複雑にしていったものが、実際に指されている将棋(冒頭の図)である。


自明の3つの盤面より複雑であり、10の60乗以上の局面が存在するが、所詮は有限の数である。
有限だから、原理的にはすべてを調べ尽くすことが可能である。


よって、結果は、後述する4つの結末のいずれかに収束することが確定している。

 

人間の頭脳で解明できないだけのことだ。


人間の脳の不完全性が将棋というゲームを成立させているとも言える。
換言すれば、将棋とは、脳の機能の欠如の些少さを競うゲームである… とも言える。

 

▶︎将棋の結末としては、
• 先手の勝ち(後手の負け)
• 後手の勝ち(先手の負け)
の二つ以外に、
千日手(同一局面の無限ループに入り勝負がつかない)
持将棋(お互いの王が相手の陣地に入り、どちらの王も詰まなくなる)
という、いわゆる引き分けという結末が存在する。


つまり、都合4通りの結果が存在する。

 

▶︎確たる根拠のない推察ではあるが…
お互いが最善手を指せば、千日手持将棋という結末になるだろう。


少なくとも、先手必敗はないだろう。