7月1日から全国の小売店において、レジ袋の有料化が義務付けられた。
目的はプラスチックごみの削減とのことだが、果たして効果はあるのだろうか?
▶︎まず、レジ袋の成分について。
レジ袋の主原料はポリエチレンである。ポリエチレンは石油精製時に必ず発生する副産物(バイプロダクト)なので、レジ袋に消費しなくても産出される。
従って、ポリエチレンをプラスチックごみ削減の標的にすることは賢明な選択ではない。
▶︎次に、量的効果について。
海洋プラスチックごみのうちレジ袋が占める割合はわずか0.3%である。
これに対し、ペットボトルは12.7%を占めている。
やはり、レジ袋をプラスチックごみ対策の対象に取り上げることは非合理的である。
▶︎更に、レジ袋は家庭用ごみ袋として再利用されている。
そのため、有料化によりレジ袋が減少するると、市販のごみ袋の需要が増える。これはプラスチックごみ削減にとっては負の作用を促進することになる。
▶︎日本の優秀な官僚は、かように、この政策による効能がほとんど無いことを承知しているはずである。
▶︎では、この政策の動機はなんだろう?
• 国民の意識改革にあるのだろうか。
自分の去就進退しか考えない政治家が実利の薄い道徳的なことを考慮するはずないし…
• それとも、日本は環境問題に真摯に取り組んでいますよ!
という政府の国際社会へのアピール?
• はたまた、小売店業界からの政治的圧力だろうか?
仮に大手スーパーチェーン店が年間1億枚レジ袋を提供していたとすると、その経費は数億円になるが、有料化になるとその分、経費は減少する。更に、客の3割がレジ袋を購入するとすればその売上げは1億円程度の額になると推定される。
大手数スーパーにとっては不労所得ともいえる増収増益である。
謎である!
▶︎小泉進次郎環境大臣は、今回の有料化について、
「レジ袋を辞退することが当たり前になる社会に変革していきたい」と言っている。
君はお花畑にいるのかい⁉︎
この人は本当に何も分かっていないのだろう。
(後編に続く)