『白線の内側でお待ちください』
電車のホームで、よく耳にする。
命に関わる場所でのアナウンスにもかかわらず、突っ込みどころ満載の表現だ。
▶︎「白線」という表現の誤謬
白線と言いながら黄線であったりするのはもってのほかではあるが、写真にある一般的なホームの白線(と称するもの)を「線」と表現するのも正しくない。
線とは無限に伸びて端点を持たない曲線の一種である。写真のものは有限の長さである線分の集合体、すなわち「波線」というべきでは?
否、線とは幅のないものであるからこれも正しくない。
▶︎「内側」という表現の曖昧
電車のホームは鉄道インフラの一部であるから、乗客よりも、電車が主体ではないだろうか。
さすれば、内側というのは、電車により近い方向をイメージしてしまう。
つまり、「白線の内側」とは、
白線(と称するもの)とホームの先端とで作られる幅70cmほどの帯状の領域ということになる。
ここで待機するのは危険極まりないですよね。
▶︎正確な表現
では、以上を踏まえ、正確なアナウンスに修正してみよう。
『白線の内側でお待ちください』
↓
『ホームに埋め込まれた最も近傍の白いブロックをホームの高さで水平に切断したときにできる切断面である長方形の短い方の辺の垂直二等分線によってできるホーム上の二つの面のうち線路から遠い方の面の上でお待ちください』
んんん…いかにも冗長でわかりにくい。
『線路から離れてないと、死んじゃうよ!』
くらいの方が明快で効果的と思う!