• 「全然」の後に否定表現が呼応しない
• 「よろしかったでしょうか?」という過去形の問いかけ
• 「一万円入ります!」という謎の掛け声
これまで、違和感を感じる表現として上記のようなものを取り上げてきたが、さらにもう一つ!
それは、→ 「故障中」
自販機などによく貼られている。
なんとなく気持ち悪い。
▶︎この貼り紙を見ると、
あたかも故障が正規ルーチンの一つのスデップであり、故障を正当化し責任を逃れているように感じる。
擬人化された自販機が胸を張って主張しているようだ。
▶︎また、語法的にも違和感を感じる。
どうも「故障」と「中」が合体したことに原因がありそうだ。
「故障」は名詞であり、機械などが正常に動作してない【状態】を指していて時間の継続が感じられる。
更に、「中」という語を重ねているが、「中」も【状態】と時間継続を内包している。
(ちょうど、英語の「ing」や中国語の「着」に相当)
よって、「故障中」は冗長で美しくない表現に思える。
でも良く考えてみると、「故障」は動詞の「する」と結びついてサ行で活用する。
ということは、「故障」は状態ではなく、須臾の変化を現すイベントなのだろうか?
そして、「故障中」は誤用ではなく正しい表現なのだろうか?
私は言語学者ではないので真偽はわからないけど、とにかく違和感を覚える。
横着せずに、
「この自販機は壊れています。いま直してるから、ちょっと待ってね」
と書いててくれたら悩まずに済むのだけど…
現実的には、「修理中」が妥当と思う。
(修理の予定がなく放置されていたとしても)