「これ、全然大丈夫だよ!」
こう言われるとすごく違和感を覚えます。
文意に対してではなく「全然」という副詞の用法に対してです。
「全然」 の後は否定を予想してしまうのですが…
冒頭の文は全然を 「非常に」 、「very 」などの意味で用い肯定文を強めています。
この違和感は…
「全然」 は 「まったく」 、「at all 」 のようなニュアンスで、この後に続く否定表現を強める副詞である。
〜という概念に起因しています。
「全然」 に対し、たびたびこの違和感を感じるということは、冒頭の文が世間で認知されているということかもしれません。
言語に対しては、論理を背景に 「この用法は誤用だ」 などというつもりはありません。
今使われている用法が正しいのです。
正しい用法とはその時代の社会通念に基づいて決められるのでしょう。
「全然」 についても、時代によって用法が変化したのかもしれません。
おそらく私が間違っているのだろう。
▶︎平安時代の枕草子などで頻出する、「おかし」 という言葉は、現代語では「趣きがある」 と訳されます。
しかし、それだけにはとどまらず、
• 奥深い味わい
• 知的ではかない美
• 興味深く風情がある
などを感じさせる味わい深い言葉だと思います。
ところが、「おかし」の語源は、「愚かなもの」 を表わす 「をこ(尾籠、痴)」 に由来しています。
それが平安時代に…
まさに、華麗なる変身!
みにくいアヒルの子が美しい白鳥に変身しました。
▶︎でも、私の感性では、「全然」 の変身に対しては 「退行」 というのが素直な感情です。
なんとなく気持ち悪いです。
子供の頃、甲虫の子供だと信じて飼育していた幼虫が、ある日、蛾の成虫に変態して鱗粉を撒き散らしながら飛び去っていったことを想起しました。